家庭教師・高原レナによる、神崎マドカへの指導は続いていた。 マドカは辞めさせて欲しいと母であるナミエに申し出たが、きっぱり断られたのだった。 「だってー、私、高原先生のコト、気に入ってるんだもんー。ウフ☆」 頬を紅潮させて、ポーっとなって腰をくねらせるナミエを見て、マドカは疑念を抱いた。 ―― もしかしてママ、レナ先生とエッチしちゃったの?母と娘が、おんなじ人と?イヤ!なんかイヤにゃ! 生理的嫌悪感が、マドカを襲った。 真田トウコとの関係が、友情→恋愛モードへと移行した今であるならば、尚更、高原レナを遠ざけねばならないとマドカは強く思った。 ―― もう、レナ先生に直接頼むしかないにゃ。 * 「というわけなので、辞めて下さいにゃ!」 家庭教師の日、部屋に入るといきなりチンプンカンプンな事を言われて、レナは目をパチクリさせた。 「うーん。いいわよ」 「え!」 あっさりイエスと答えられたマドカが、今度は目をパチクリさせた。 「ただし、今日の小テストで、7問以上正解したらネ」 「そんな!」 レナは毎回、訪問直後に10問の小テストをマドカに解かせていた。 7問以上ならば合格、それ以下ならば不合格。 合格ならば「ご褒美エッチ」、不合格ならば「お仕置きエッチ」が与えられる。 それがレナの、授業内容であった。 「フツー言わないわよ?教師の方から辞めさせてなんて。それを言わせようっていうんだから、ワケないでしょ?」 「分かったにゃ。でも、今日は、ご褒美もお仕置きもナシにゃ」 「オーケイ。じゃー、初めよっか♪」 レナはクリアファイルから用紙を取り出して、マドカに手渡した。 * 間近で見つめるレナの熱いエロ視線に耐えて、マドカは精一杯、問題を解いた。 「はーい。そこまで〜」 度の入っていない黒ぶちフレームの眼鏡をかけて、レナは赤ボールペンで採点を始めた。 1問目、正解。続いて2問目も、正解。 膝の上でこぶしを握りしめて見つめるマドカは、「大丈夫、いけるにゃ」と自分に言い聞かせる。 「ところでサー」 採点を続けながら、レナは独り言のように呟いた。 「?」 「ジュンくん、インポになっちゃったよ」 5問目は不正解。レナの指先が×印を描く。 「!?」 ダブルショックに、マドカの体が強張る。 「ジュン君、スッゴく落ち込んでるよ。マドカちゃんの出番じゃない?」 「ヤメテください!あんなヤツ、もうどうとでもなったらイイにゃ!私もう、トーコと付き合ってるんだにゃ!地獄に堕ちヤガレだにゃ!」 「ふぅーん。女の子と付き合ってるんだ〜」 「そ、そうデスにゃ。もう私は、トーコ以外とはエッチしないんだにゃ!レナ先生とも、エッチしないんだにゃ!」 6問目も不正解。マドカは焦った。 ―― レナ先生が現れてから、全部変わってしまったにゃ。アイツも、私も、ママだって。この人と関わっていたら、イケナイにゃ! 採点が終わった。 結果は10問中、8問の正解。マドカは小さくガッツポーズを決めた。 「でも、レズはマイナス2点だから、6点。不合格ね」 残念そうな顔をマドカに向けて、レナは溜め息をついた。 「にゃにぃぃぃー?ワケわかんにゃいワケわかんにゃいにゃー!」 「誰と付き合おうが、マドカちゃんの勝手だけどね。オチンチン持ちじゃない者同士の恋愛は、NGよ。私は、そんなの認めない」 レナの表情が翳った。 「マドカちゃんには、もっとオチンチンの素晴らしさを知ってもらう必要があるみたいね」 「ダメ!」 レナの行動を察知して逃れようとしたが、遅かった。 レナに抱きしめられ、ふくよかな乳房を押しつけられた途端、マドカの体はグニャグニャになってしまう。 「ダメにゃダメにゃ!ご褒美もお仕置きも今日はナシって、言ったにゃ!」 レナの腕の中でもがくマドカであったが、それは形ばかりの抵抗でしかない。 「違うわよ。これは、教育的指導デス」 「ズルいにゃ」 「そう?」 マドカの顎に指をかけて自分の方に向かせると、レナはその可憐な唇に接吻した。 「んッ、ぷはぁあぁぁぁ」 卑猥にしてエレガント。 その魅惑の口づけで、マドカの中の何もかもが溶けていった。 |