「アァ!アァッん!ジュンオのチンポ、子宮まで届いて、気持ちイイよぉ!」 騎乗位で井上ジュンの上にまたがった立花ケイが、滅茶苦茶に腰を上下させている。 「立花サンのマンコ、キュンキュン締め付けてきて、あースッゲ!もう、イキそうっス!」 「まだダメぇ!あとちょっとで、おっきぃのクるから、耐えてぇ!オネガイ」 使命感だとかプライドだとか、余計な雑念を拭い去ったケイはフタナリの本性をむき出しにして、ジュンの肉棒にヨガリ狂っていた。 「あッ!ジュンのおちんぽイイ!おまんこ、気持ちイイ!イクっ!イクイクイッちゃううぅぅぅー!」 ケイはジュンの体にしがみつきながら絶頂に達し、大量の精液と潮を撒き散らせた。 プルンプルンと陰茎が揺れ、亀頭の先からビュッ!ビュゥッ!と精子が射出されていく。 8月31日の打ち上げ花火にも似た美しくも儚いその光景に、ジュンの魂は震えた。 「スゲ!チンポ汁が、こっちに飛んでくる!あーイク!ウグウッ!」 シャワーとなって降り注ぐ精液を体に浴びながら、ジュンも我慢できずにケイの膣奥へと射精した。 * 「最後のセックス」を終えた二人は、疲れきってベッドから起き上がれないでいる。 ジュンの体に寄り添って、満足そうに眼を閉じているケイ。 ジュンはケイの肩を抱き、やさしく語りかけた。 「明日になったら、つーか今からでもユカさんに会って、自分の気持ちをぶつけないと、ネ。立花サン」 「うー。やっぱ、ムリだよぉ」 ―― バカめが、まだ迷うんか!下手すりゃコッチまでグラついちまうぜ。 苛立ちを抑えつつ、ジュンは軽やかに笑った。 「アハハ♪いーんですか?これからずっと、レナさんとユカさんがセックスしまくっても?」 「うー」 「この先ずっと、心に仮面を被ったままで、生きてくってんですか?」 「ううー」 「オレに任せて下さいよ。恋愛成就のエキスパートの、このオレに。二人が上手くいってくれないと、オレも困るわけだし」 「エキスパート?んなワケないじゃん。だって井上、レナとラブラブになってないじゃんか」 「占い師は、自分の事は占えない。それと同じです」 「あ!そっか。…ホ、ホントに、任せて安心?」 「アンタの仮面は、オレが被る!キラーン☆」 「エ?どーいうコト?」 ケイは首をかしげたが、自分一人ではどうにもならないのだから、ジュンの言葉に従うしか道はないのだと思った。 その日の夜、ケイは赤城ユカのケータイに「明日会って話をしたい」と、メールを送った。 直ぐにユカからは、了解のメールが返ってきた。 ケイはジュンに電話をして、翌日の待ち合わせ時間と場所についての打ち合わせをした後、ユカにメール送信した。 ユカはそのメールの文面を見つめながら、話の内容は仲直りなのか、はたまた絶交なのかと、思い悩んでいた。 ―― やっぱりレナちゃんと二人だけでエッチしたから、それで怒ったんだよね。…明日、ケイちゃん許してくれるのかな? お互い緊張と不安で熟睡できぬまま、それぞれの朝を迎えた。 * 待ち合わせ時間の午後6時より少し前に「カフェ・ド・田中クニエ」に着いたユカは、席に座って落ち着きなく周りを見回していた。 不意に後ろから肩をチョンチョンと突かれて振り仰ぐと、そこには縁日でお馴染みのキャラクターお面を被った人物が立っていた。 それは、眼鏡をかけた帽子のメガネっ娘のお面だった。 「うっほほーぃ!待ったー、ユカ〜?」 「だ、誰ですかー?」 「ア・タ・スィよ〜、ケイですよぅー」 お面を被ったジュンは、アイスコーヒーを乗せたトレーをテーブルに置きながら、ユカの向かい側の席に腰を下ろした。 ちょうどその時、通路を隔てたジュンの隣の席に座ったばかりの、立体マスクにサングラスの人物を視界の隅に捉えて、ユカは愕然とした。 それは間違いなく、ケイであった。 「驚かせちゃってスイマセーン。アタクシCMなどでご存知かと思いますが、告白代行サービスのエージェントなんでござーます。ウホホホ♪」 「?ケイちゃん?これって、どーいう…」 お面少年を無視してユカはケイに向かって話しかけたが、ケイはすかさずそっぽを向いて、「そんな人は知りません」と無言で主張した。 「今日は立花ケイ様の代理ということで、この場をセッティングさせていただいたんでござーます。ウホホホホ」」 あっけにとられた顔で、ケイを見つめたままのユカに向かってジュンは喋り続ける。 「では時間もアレなんで、早速本題に入らせていただきマス。ずっと前から好きだった!」 「オマ…!バッ!」 ―― いくらなんでもイキナリ過ぎだろそれは! 仰天したケイは思わず席を立ちかけて、我に返って再び座りなおした。 「友達なんかじゃなくて、恋人になりたい。そんな願いを胸の奥に秘めたままで、ずっとアナタと接してきたんでござーマス」 ケイに顔を向けたままで、ユカはジュンの言葉に耳を傾けている。 「お、おいッ!」 昨晩の打ち合わせには、まったくなかった展開。 この先何を言い出すのかと猛烈な不安が込み上げて来て、ケイは中断すべきかと迷った。 「それなのにアータときたら。高原レナさんとセックスして悦んでたってんだから、もう耐えきれなくなっちゃんですねー。ああ無情!」 「井上〜!」 ケイは立ち上がって、ジュンに掴みかかった。 「暴力反対!」 ジュンはケイの手を振りほどいて、小走りで店から出て行った。 「アノーお客様」 「お騒がせしました。もう大丈夫ですから」 ケイは立体マスクとサングラスを外して、やってきた店員に詫びた後、ユカの向かい側の席に座った。 「今の、ホント?」 うちひしがれたユカが、弱々しい声でケイに尋ねた。 「イヤ!違うちがう!イヤイヤ!違わないんだけど、別にそんな…」 ―― ここで言わなきゃループしちゃう。勇気、出さないと。 「…うん。好きだよ。でも気にしないで。ユカが誰を好きになっても、それは自由だし」 「もう、レナちゃんと、エッチしない」 ポタポタとユカの目から涙の粒がテーブルの上に落ちるのを見て、ケイは慌てた。 「なッ?ダメダメダメそんなの!ユカがしたいようにしたらいいから!だって、ユカはレナの事、好き、なんダロ?」 ケイの目からも涙が溢れて、頬を伝った。 「だって、ケイちゃん、私の事、友達としか見てないって思ってたから。だったら、他の人を好きになるしかないって、思って」 「えぇえ?てことは、つまり」 「うん」 「オレ達、お互いに片思いしてたってわけ?」 「みたい」 「なーんだ。そっか。アハハ」 「ゴメンね」 「何でよ。そんなら、オレだって。…今から家、来る?」 「うん。行く」 「出よっか」 「うん」 支払いを済ませた二人は店を出て、手を繋いで街を歩いた。 ―― アリガトな、井上。もう絶対、何があっても、この手は離さないから!絶対に。 ケイは固く心に誓った。 * 「というわけだから。オレ達、もうレナとはセックスしないんで。ヨロシク」 「ごめんなさい」 翌日の「カフェ・ド・田中クニエ」で、ケイとユカとレナの3人はテーブルを囲んでいた。 「ふぅーん。いいよ。よかったね、ユカちゃん」 レナは二人に向かってニッコリ笑って、そう言った。 「ごめんなさいぃ」 ユカは申し訳なさそうに、何度も頭を下げた。 「じゃーね。私、これからお仕事だから」 カフェオレの料金をテーブルに置いて、レナは席を立った。 金輪際ユカとはセックス出来なくなったレナだったが、元々恋愛的な感情がなかった為、未練はなかった。 この時点で、あと7人のセックスフレンドがいたレナにとっては、単にそのセックスフレンドが一人減っただけのことであった。 |