「アァ!アァッん!ジュンオのチンポ、子宮まで届いて、気持ちイイよぉ!」

騎乗位で井上ジュンの上にまたがった立花ケイが、滅茶苦茶に腰を上下させている。

「立花サンのマンコ、キュンキュン締め付けてきて、あースッゲ!もう、イキそうっス!」

「まだダメぇ!あとちょっとで、おっきぃのクるから、耐えてぇ!オネガイ」

使命感だとかプライドだとか、余計な雑念を拭い去ったケイはフタナリの本性をむき出しにして、ジュンの肉棒にヨガリ狂っていた。

「あッ!ジュンのおちんぽイイ!おまんこ、気持ちイイ!イクっ!イクイクイッちゃううぅぅぅー!」

ケイはジュンの体にしがみつきながら絶頂に達し、大量の精液と潮を撒き散らせた。

プルンプルンと陰茎が揺れ、亀頭の先からビュッ!ビュゥッ!と精子が射出されていく。

8月31日の打ち上げ花火にも似た美しくも儚いその光景に、ジュンの魂は震えた。

「スゲ!チンポ汁が、こっちに飛んでくる!あーイク!ウグウッ!」

シャワーとなって降り注ぐ精液を体に浴びながら、ジュンも我慢できずにケイの膣奥へと射精した。



「最後のセックス」を終えた二人は、疲れきってベッドから起き上がれないでいる。

ジュンの体に寄り添って、満足そうに眼を閉じているケイ。

ジュンはケイの肩を抱き、やさしく語りかけた。

「明日になったら、つーか今からでもユカさんに会って、自分の気持ちをぶつけないと、ネ。立花サン」

「うー。やっぱ、ムリだよぉ」

―― バカめが、まだ迷うんか!下手すりゃコッチまでグラついちまうぜ。

苛立ちを抑えつつ、ジュンは軽やかに笑った。

「アハハ♪いーんですか?これからずっと、レナさんとユカさんがセックスしまくっても?」

「うー」

「この先ずっと、心に仮面を被ったままで、生きてくってんですか?」

「ううー」

「オレに任せて下さいよ。恋愛成就のエキスパートの、このオレに。二人が上手くいってくれないと、オレも困るわけだし」

「エキスパート?んなワケないじゃん。だって井上、レナとラブラブになってないじゃんか」

「占い師は、自分の事は占えない。それと同じです」

「あ!そっか。…ホ、ホントに、任せて安心?」

「アンタの仮面は、オレが被る!キラーン☆」

「エ?どーいうコト?」

ケイは首をかしげたが、自分一人ではどうにもならないのだから、ジュンの言葉に従うしか道はないのだと思った。

その日の夜、ケイは赤城ユカのケータイに「明日会って話をしたい」と、メールを送った。

直ぐにユカからは、了解のメールが返ってきた。

ケイはジュンに電話をして、翌日の待ち合わせ時間と場所についての打ち合わせをした後、ユカにメール送信した。

ユカはそのメールの文面を見つめながら、話の内容は仲直りなのか、はたまた絶交なのかと、思い悩んでいた。

―― やっぱりレナちゃんと二人だけでエッチしたから、それで怒ったんだよね。…明日、ケイちゃん許してくれるのかな?

お互い緊張と不安で熟睡できぬまま、それぞれの朝を迎えた。



待ち合わせ時間の午後6時より少し前に「カフェ・ド・田中クニエ」に着いたユカは、席に座って落ち着きなく周りを見回していた。

不意に後ろから肩をチョンチョンと突かれて振り仰ぐと、そこには縁日でお馴染みのキャラクターお面を被った人物が立っていた。

それは、眼鏡をかけた帽子のメガネっ娘のお面だった。

「うっほほーぃ!待ったー、ユカ〜?」

「だ、誰ですかー?」

「ア・タ・スィよ〜、ケイですよぅー」

お面を被ったジュンは、アイスコーヒーを乗せたトレーをテーブルに置きながら、ユカの向かい側の席に腰を下ろした。

ちょうどその時、通路を隔てたジュンの隣の席に座ったばかりの、立体マスクにサングラスの人物を視界の隅に捉えて、ユカは愕然とした。

それは間違いなく、ケイであった。

「驚かせちゃってスイマセーン。アタクシCMなどでご存知かと思いますが、告白代行サービスのエージェントなんでござーます。ウホホホ♪」

「?ケイちゃん?これって、どーいう…」

お面少年を無視してユカはケイに向かって話しかけたが、ケイはすかさずそっぽを向いて、「そんな人は知りません」と無言で主張した。

「今日は立花ケイ様の代理ということで、この場をセッティングさせていただいたんでござーます。ウホホホホ」」

あっけにとられた顔で、ケイを見つめたままのユカに向かってジュンは喋り続ける。

「では時間もアレなんで、早速本題に入らせていただきマス。ずっと前から好きだった!」

「オマ…!バッ!」

―― いくらなんでもイキナリ過ぎだろそれは!

仰天したケイは思わず席を立ちかけて、我に返って再び座りなおした。

「友達なんかじゃなくて、恋人になりたい。そんな願いを胸の奥に秘めたままで、ずっとアナタと接してきたんでござーマス」

ケイに顔を向けたままで、ユカはジュンの言葉に耳を傾けている。

「お、おいッ!」

昨晩の打ち合わせには、まったくなかった展開。

この先何を言い出すのかと猛烈な不安が込み上げて来て、ケイは中断すべきかと迷った。

「それなのにアータときたら。高原レナさんとセックスして悦んでたってんだから、もう耐えきれなくなっちゃんですねー。ああ無情!」

「井上〜!」

ケイは立ち上がって、ジュンに掴みかかった。

「暴力反対!」

ジュンはケイの手を振りほどいて、小走りで店から出て行った。

「アノーお客様」

「お騒がせしました。もう大丈夫ですから」

ケイは立体マスクとサングラスを外して、やってきた店員に詫びた後、ユカの向かい側の席に座った。

「今の、ホント?」

うちひしがれたユカが、弱々しい声でケイに尋ねた。

「イヤ!違うちがう!イヤイヤ!違わないんだけど、別にそんな…」

―― ここで言わなきゃループしちゃう。勇気、出さないと。

「…うん。好きだよ。でも気にしないで。ユカが誰を好きになっても、それは自由だし」

「もう、レナちゃんと、エッチしない」

ポタポタとユカの目から涙の粒がテーブルの上に落ちるのを見て、ケイは慌てた。

「なッ?ダメダメダメそんなの!ユカがしたいようにしたらいいから!だって、ユカはレナの事、好き、なんダロ?」

ケイの目からも涙が溢れて、頬を伝った。

「だって、ケイちゃん、私の事、友達としか見てないって思ってたから。だったら、他の人を好きになるしかないって、思って」

「えぇえ?てことは、つまり」

「うん」

「オレ達、お互いに片思いしてたってわけ?」

「みたい」

「なーんだ。そっか。アハハ」

「ゴメンね」

「何でよ。そんなら、オレだって。…今から家、来る?」

「うん。行く」

「出よっか」

「うん」

支払いを済ませた二人は店を出て、手を繋いで街を歩いた。

―― アリガトな、井上。もう絶対、何があっても、この手は離さないから!絶対に。

ケイは固く心に誓った。





「というわけだから。オレ達、もうレナとはセックスしないんで。ヨロシク」

「ごめんなさい」

翌日の「カフェ・ド・田中クニエ」で、ケイとユカとレナの3人はテーブルを囲んでいた。

「ふぅーん。いいよ。よかったね、ユカちゃん」

レナは二人に向かってニッコリ笑って、そう言った。

「ごめんなさいぃ」

ユカは申し訳なさそうに、何度も頭を下げた。

「じゃーね。私、これからお仕事だから」

カフェオレの料金をテーブルに置いて、レナは席を立った。

金輪際ユカとはセックス出来なくなったレナだったが、元々恋愛的な感情がなかった為、未練はなかった。

この時点で、あと7人のセックスフレンドがいたレナにとっては、単にそのセックスフレンドが一人減っただけのことであった。






フタナリ女と少年少女



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