立花ケイが腹痛に苦しむ井上ジュンに付き添い、自宅まで送り届けてやることにしたのは、ケイの心が弱っていたからなのかもしれない。

その道中の会話。

 ジュン 「じゃあ立花サンは、レナさんのお友達なんすか?」

 ケイ
   「うん?まあね」

―― 友達?敵だよ、敵。世界中で一番憎いヤロウだよ。

ケイは、心の中で呟いた。

―― 井上がしっかりレナの関心を惹きつけておけば、ヤロウにユカを構う余裕なんてないんだろうに。…待てよ?

ケイの頭に、ある企みが浮かんできた。

「なぁ井上。ちょっとレナの事で、相談したいことがあるんだけど」

「なんすか?」

「体調が治ったら、また会えないかな?」

「なんすか?相談とか言って、ナンパじゃないでしょうね?」

ジュンの手がケイの胸を揉む。

「わーぉ。小ぶりオッパイ」

「んな!」

ケイに突き飛ばされて、ジュンは路上に尻もちをついた。

「ホラ、立てよ」 怒りを堪えて、ケイは手を差し出した。

ゆっくりと体を起してケイの手を握ると、ジュンは照れくさそうに笑った。

「ちょっとチビっちゃいました。あっはは」

再び突き飛ばされたジュンは、路面をコロコロと転がった。

「いったーぃ。何するんですのー」

「ゴメン。つい」

ジュンの自宅前でケータイの電話番号を教えあって、その日は別れた。



数日後。

体調が回復したジュンは、ケイに連れられて「カラオケ・みだっすく」へとやってきた。

「さあ歌え、井上」

分厚い歌本とリモコンを、ジュンの方へと差し出すケイ。

「そりゃオレだって、歌うのは嫌いじゃない。つーか好きなんすけど。喫茶店とかじゃ話し辛いってんで、ココ来たんでしょ?」

ジュンは受け取った歌本とリモコンを机の上に置いて、ケイを上目使いに見た。

「まあな。んじゃ、さっそく本題だ。井上。お前、オレとセックスしろ」

「っはー。乳揉まれて、あんだけ拒絶する人のセリフとは思えませんなー」

その時の感触を思い浮かべて、じっと自分の掌を見つめるジュン。

「あれは!イキナリすぎたんだよ」

「いきなりセックスしろって言う人が!っはー」

「お前には、がっちりとレナを捕まえておいてもらわないと困るんだよ!」



「な?なんでアンタにそんなコト指図されないとイカンのですか!」

「指図じゃない、お願いだよ。オレの好きな人がレナにたぶらかされてるから、レナがお前とくっつけば、ソイツはオレと、その」

「あーそっか。そんでオレとセックスって…なんでやねん!」

「実はな。お前と、女の子とレナの三人でセックスした時あったろ、あの時オレは、ヤツのベッドの下にいた」

「コワ!アンタ何してんすか!この覗き魔!」

「ヤツが呼んだんだよ!勝手に人の家のベッドに潜むって、オレは忍びか!」

「え?しのぶサン?」

「もうエエわ!」

ケイは一呼吸置いて、ジュンに言った。

「その時、思ったんだ。お前は、フタナリの体に慣れていない、ってな。だからレナは満足できなくて、他に目がいくんだよ」

「なぬぃー!」

「経験が足りないんだよ。だから、オレの体を使って慣れろ。いや、慣れて下さい!」

ケイに深々と頭を下げられて、その真剣さにジュンは打たれた。

―― 相手の気持ちが自分の方に向いていないって、オレと似た状況なのかもな。

「切ないっスね」

「うん」

悲しみに沈んだケイの顔を見て、ジュンの股間は熱くなった。

「わかりました」

「あ!ア、アリガト」

「エート、いつから」

「じゃ、今からシヨっか!」

「早いな!つか、ココでかい!」

「はい、コッチきて」

ケイはパンパンパンと自分の横のスペースを叩いて、こっちに来て座れとジュンを急かした。

「えぇー?マズイっしょ。外から見られるし、店員が突入してくるっしょ」

などと言いつつも、ジュンはケイの横に腰を下ろした。

「ちゃっちゃとヤッちゃえば大丈夫ダロ。そんなことより、せっかくだから曲入れろよ。歌いながらシようぜ」

ケイは歌本を手にとって、パラパラめくり出した。

「アンタ滅茶苦茶だな!出来るかそんなもん!」

「それくらい出来ないと、レナをゲット出来ないんじゃないかなー」

「くえー!わかったよわかりましたよやってやりますよ!」

身を寄せてくるジュンに、ケイは両手を胸の前でクロスさせて言った。

「井上、チューはすんなよ」

「!あっそ。ハイハイ」

―― ナルホド。唇だけは、好きな相手にしか許さないってか。可愛いね。

ジュンは、尚も本のページをめくり続けているケイの体を抱きしめた。

ケイの体がビクンと震えた。

「下だけ脱がしちゃってイイ?立花さんのチンポ、どんなんかな〜」

ジュンはケイの耳元で囁きながら、デニムパンツのボタンを外してジッパーを下ろした。

そこから現れたのは、センターにリボンのついた、レースのピンクパンティー。

「ズッキューン!トランクスかと思いきや」

「なんだよ。オレがパンティー穿いてちゃ、ヘンだってのかよォ」

ケイは歌本で顔を覆って、弱々しく言った。

「スッゲ、可愛いっすよ。なんか、本当の立花さんを発見したっていうか。うぉー!」

目を輝かせて、マジマジと見つめるジュン。

「うー」

ケイはジュンの反応に照れて、身をよじった。

―― つーか、この人マジでカワイイんじゃね?

ジュンの欲情メーターの針が、右方向へと動き出した。

「腰、浮かして」

「あ〜!この曲、入れちゃおっかなー!」

言われるがままに腰を浮かせてパンツを膝まで脱がされ、パンティーの中から陰茎を露出されるケイ。

どんどん恥ずかしさが増してきたケイであったが、悟られまいとして「なんでもない」といった風情で、リモコンの操作をする。

だが、その指先は震えていた。

「わー。可愛いオチンポ〜!匂いも、クンカクンカ…ほおぅ〜。あー。たまんね」

ジュンにとっては篠田カナメ以来の、男性器との遭遇だった。

「うー」

ますますケイは真っ赤になって、股間を隠そうとする。

「だーめ。よっく見せて。あぁ、これくらいのサイズだとアゴ疲れないから、いっくらでもしゃぶってられそうな…」

「どうせ、ちっさいですヨーだ!」

「うをー。なんか嬉しくなってきた♪」

―― レナさんやカナメやオレのと比べると、一番小さいサイズだな。カナメの魔界チンポより、ずっと好感が持てるよ。

ジュンは床に膝をついてケイの股間に顔を寄せ、陰茎に軽くキスをした。

「うあ!」

「手はいろんなトコ触ってバイ菌ついちゃってるから、口だけでスルね」

他の誰かに見られるかもしれない状況で、知り合って間もない少年に陰茎を愛撫されて、ケイの陰茎は急激に硬くなっていった。

舌を這わせたり口にくわえたりしながら、ジュンはケイの陰茎を品定めしていく。

―― ふーん。勃起したチンポで比べてみても、やはりレナさんチンポの勝ちだな。でも、これはこれで魅力的ではあるか。

「あッ、す、すご…」

ケイはジュンのフェラチオの巧みさに、陶然となっていた。

―― このコ男のくせに、なんでこんな上手なの?テクだけなら、ユカよりずっと上手かも?って、そんなコトないない!今の取り消し!

 ジュン 「ちょいちょいちょい。歌、始まってる!」

いつの間にか曲のイントロが終わり、画面に歌詞が映っている。

ケイは急いでマイクを手にとって、スイッチをオンにした。

「…ステリー・トレイン♪季節外れの湯けむりドリーマーたちが今年も集って、きぃますー♪チュミミチュ…うぅ、はぁッ」

「ヤバイ。このチンポ、病みつきになりそうな咥え心地。つーか、もうチンポ入れるね」

ジュンは慌ててズボンを脱いで、勃起した陰茎をケイの陰唇にズブジュブと挿入していった。

「…えぅ、ワン・トゥー・スリーぃで飛び込んじゃ、えええ♪ア、あ、あ、うアぁ。ダッイブ、イントゥ、湯け…あーッ!」

「ホラ、ちゃんと歌って!あー誰か来ちゃうかも!ヤバイヤバイヤバイ!早く!早く!歌いながら早く!」

「地域おこしなら〜ハァッ!お任せェウッ!あアーれ☆ダメーん!」

剥き出しになった下半身同士が、激しくぶつかり合う。

その時、唐突に部屋のドアが開けられた。

「失礼します。お客様。当店では、そのような猥褻行為は禁止させて…オーイ、聞けって」

男性店員が二人を制止すべく声をかけたが、二人の動きはまったく止む気配がない。

「教えぇて効能ー♪中出しチュミミィィィー!」

「うああああああッあッあ」

極度に興奮している二人は店員を完全に無視する形で、絶頂に達した。



「あきれるっちゅーかなんちゅーか。あーあ」

男性店員が室内に入ってきて、ジュンの肩をたたく。

ようやくジュンに存在を気付いてもらえた店員が、怒気を帯びた笑顔で言った。

「掃除してから、帰れよ」

「え?あ、ハイ」

朦朧としたままのジュンがケイの膣から陰茎を引き抜くと、膣の中から精液が溢れだした。

「わああ。垂れる垂れるたれるぅー!」

放心状態だったケイがジュンの声で我に返り、脇に置かれている自分のショルダーバッグを指さして叫んだ。

「バッグ!中にティッシュ入ってるから!」

「ダメだ!もう間に合わねえ!」

ジュンはケイの股間に顔を突っ込み、音を立てて精液を啜った。

「アッ!あ、アアァ」

重力の虜になりつつあったケイの陰茎が、再び硬度を増した。

「うええ。オレの精子、マッズぅー!」

ジュンが不快を訴える。

店員は呆れ顔で二人を見つめながら、溜息をついた。

そして一言。

「永久追放、決定」




フタナリ女と少年少女



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