「久しぶりにレナちゃんと会えるね〜♪ケイちゃんも嬉しいでしょ?」 高原レナの住むマンションへと向かう道中。 はしゃぐ赤城ユカを見つめる立花ケイの心中は、複雑だった。 ―― あのヤロウ、中途半端に関わってきやがって。世界の果てへ旅立って、二度と戻ってくるんじゃねぇっつーの! それでもユカに付いて行ってしまう自分を、ケイは恨めしく思った。 * 「わたし見てるから、今から二人でセックスしてくれないかしら〜?」 ケイとユカがレナの部屋に招き入れられて早々、レナが発した言葉にケイはカッとなった。 「ハァー?オマエいきなり何言ってんの?」 「えー?私、レナちゃんとシたいよぉ」 ユカがぽつりと呟く。 ケイは、後頭部を鈍器で殴られたような感覚に襲われた。 ―― せつねー!マジ切ないんですけど! 「人がしてるトコロ、じっくり見てみたくなっちゃったんだよねー。ふと。だからオネガ〜イ。ユカちゃま〜ん☆」 身をくねらせるレナの姿に、ユカは忽ち懐柔された。 「うーん。じゃぁ〜、しよっか?ケイちゃん」 「するんかい!ヤダよ、オレは」 あとずさるケイ。 ―― なんでコイツの言葉に従って、せにゃならねーんだよ。もっと自然な成り行きで、二人だけでするもんだろうが。本来! 今まで何度か三人でセックスしたことを棚上げして、ケイは激怒した。 「私とじゃ、イヤ?ケイちゃん」 ユカも身をくねらせた。 「そーじゃないけど。そーいうんじゃなくて!」 その可愛らしさに顔が真っ赤になったのを悟られまいとして、ケイは慌ててそっぽを向いた。 「大丈夫だよ。私が、してあげるから。ね?」 「ね?じゃなくて!」 ユカににじり寄られて接吻されると、ケイは途端に抵抗する気が失せていった。 「やめりょよ。やめ…わうぅー」 レナは椅子に腰をおろしてスラリとした美脚を組んで、さも愉快げに二人の様子を見つめている。 「エッチな姿、見せつけちゃお?そうすれば絶対、レナちゃんも参加してくるよ」 ―― そんなこったろうと思ったぜ!でも、もう体が言うこと聞かないよぉ。 もつれるようにしてベッドに倒れる二人。 ブラジャーの下から手をこじ入れられて指の間で乳首を摘まれると、ケイの陰茎は急速に硬さを増していった。 ユカは手早くケイのショートパンツとショーツを剥ぎ取り、股間に顔を寄せてスンスンと匂いを嗅いだ。 「はふぅ。いい匂い」 「ばかばかぁー」 言葉とは裏腹に、なんの抵抗もしようとしないケイの亀頭に、ユカはチュッと軽いキスをした。 「うー!」 ユカによる金玉から陰唇へのクチビル愛撫。 その愛撫が、陰唇から金玉を経由してまた陰茎へと戻っていくかと思いきや、更に陰唇へ。 「うぁあー。ッあー!」 「ふっふー♪」 大好きなユカによってもたらされた快感に揺らされて、ケイのわだかまりが解けていく。 クチビル愛撫に両手の指も加わると、ケイの五感はその甘美さに益々蕩けて、陰部からは愛液が滲み出す。 ユカは自分の着ているワンピースの下からショーツを抜き取ると、膝でズリズリ移動して、ケイの目の前に股間をさらした。 「ケイちゃん、あの…」 「ウン」 ケイは大きくなったユカの陰茎を、指先でなぞった。 「はぁッう」 ユカの体がビクンと震える。 ケイは陰茎を舐めながら、ユカのワンピースのボタンを外し、ふくよかな乳房をやんわりと掴んだ。 「んッく」 二人は快感に身を委ねながら、互いに快楽を与え続けた。 やがてユカは静かに体を起こし、ケイの体の上に覆いかぶさった。 ケイは胸を押さえて、ギュッと目を閉じた。 ―― 入れるの?入れちゃうの?わううー。ユカに、オチンチン、入れられちゃう。 その時、ユカの残念そうな声がした。 「レナちゃん、一人でしてないでコッチに来たらいいのに」 ―― レナ?あぁそうか。ココってヤツの部屋…。 ぼんやりとした意識の中で、ケイが頭を巡らしてレナのいる方に目をやると。 レナはパンティの横から陰茎を出して手淫に耽っていた。 ユカの誘いの言葉に、レナは首を横に振って断った。 そうしている間にもレナの左手は陰茎をコスり、右手の指は膣の入り口を浅く出入りしている。 レナの痴態を見てケイは瞬時に理解し、またしても頭に血が上ってきた。 ―― コイツ!オレ達をズリネタにしてオナリたくて、呼んだのか!コケにしやがって! だが、既にケイの快感は中断出来ないレベルにまで達していた。 ユカの亀頭が膣口にあてがわれ、ゆっくりと膣奥へと差し込まれていく。 「あアーーーッ!」 深く浅く挿入を繰り返されつつ、涎を垂らされてヌルヌルになった陰茎を手コキされて、ケイはあまりの気持ち良さに身悶えた。 レナ 「あースッゴいエロい生セックス。もうイキそう」 ユカ 「レナちゃん、私も、出ちゃいそう」 レナ 「いっしょに出す?」 ユカ 「うん。レナちゃんと、同時イキ、したい」 ―― ユカとエッチしてるのに、気持ちいいのに、なんでこんなに悲しくて、惨めな気持ちにならないといけないんだ? 悔しさと快感の板挟み。 ケイの目の端からこぼれた涙が、頬を伝った。 レナ「イック!イッちゃう!」 ユカ「私も!精子出ちゃう!あッ!イク!」 二人の声を聞きながら、ケイも絶頂に達して体を仰け反らせた。 * しばらく三人は激しい呼吸を繰り返していた。 最初に口を開いたのはレナだった。 「ユカ、来て」 ユカはのろのろと起き上がって、レナの近くまで這っていった。 「お掃除して〜」 レナはキャミソールの上の、乳房や腹部の辺りに飛び散った精子を指でチョイチョイと指した。 「はぁーい♪」 ユカは嬉々として、精液を舐め取っていく。 「おいしい?私のチンポ汁」 「ウン。レナちゃんの、おっきぃまんまだね」 「それはー、ユカがエロ過ぎるからだよ」 「レナちゃんのオナニーも、すごくエッチだったよ。ここからピュッて、飛んで…」 ユカは愛おしそうにレナの剥き出しになったままの陰茎に頬ずりし、チュルチュルと精液を啜った。 「まだ全然元気」 「したいの?セックス」 「うん。ね?ケイちゃん。…アレ?」 ユカがケイの方を見ると、ケイはすっかり身形を整えていた。 「悪い。オレ、ちょおっと用事あってさ。じゃあネー」 言い訳がましいセリフを早口で言いながら、ケイはそそくさとレナの部屋を出て行った。 * エレベーターの中で、ケイは泣いた。 ―― なんなんだオレは。こんなにもユカが好きなのに。こんなの、辛すぎる。 涙を拭ってマンションを出て歩いて行くと、電柱に抱きついて苦しそうな息を吐いている少年がいた。 横目で少年の顔を見ながら通り過ぎて歩くうち、だんだんと見覚えのある顔のような気がしてきた。 ―― ああ、そうか。 踵を返して少年に向かって声をかけた。 「大丈夫かよ、井上」 それは腹痛を堪えて何とかここまで来たものの、ついに力尽きた井上ジュンだった。 |