高原レナの部屋。

井上ジュンと神崎マドカが、ベッドに腰かけた高原レナの足元で土下座をしている。

「どうしたの?部屋に入るなり、イキナリどうしてそんなことしてるの?」

予期せぬ二人の行為に、レナは少なからず平静さを失っている様子。

「今日は、ボクたちは、さよならを言いに来ました」

「え…」

追い打ちをかけるようなジュンの言葉に、レナは凝固した。

「ボクは、チンポ依存症。まともな状態じゃ、ありません」

「そんなの。オチンチンが好きな男の子なんて、たいして珍しくもないわよ」

レナは蠱惑的に微笑み、ジュンの断固たる決意は忽ち萎えていく。

「そうですよね」

だらしなく笑うジュンの臀部を、マドカは力いっぱい、つねった。

「イタイイタイ!なんだよ!」

「何だよじゃないでしょ!しっかりしてよ!」

ドン!と体当たりをされて、ジュンの体は吹っ飛んだ。

「別れて下さい、レナさん。私たちとは、これきり会わないで下さい!」

「でも、ジュンはイヤみたいだよ」

「元々、ジュン君が言い出したことなんです。これは。家庭教師も辞めてもらうよう、今日ママに言いました!」

「マドカちゃんは、私と別れられるの?」

すがるように見つめられて、マドカは一瞬怯んだが、両目にいっぱい涙をためて、叫んだ。

「先生、ありがとうございました!さようなら!」

深々と頭を下げ、横で倒れているジュンを無理やり座らせて、頭を押さえつけた。

「あいてててて」

「ホラ、行くよ!」

レナに何か言われるのを恐れるように、マドカはジュンを急きたてて、玄関から出て行った。

「…アレ?」

レナは首をかしげた。

「ざーんねーんでーした〜!」

ベッドの下から、声。

ショーツ1枚の姿で這い出してきた女性の股間は、もっこりと膨らんでいる。

貧乳メガネの両性具有者、立花ケイだった。

「帰っちゃったな!今夜は乱交パーティーじゃなかったっけー?ナーハハハ〜!」

眼前で意地悪く笑うケイのメガネを、レナはひょいと取り上げた。

「はわぁー。なにすんのぉ〜。かえしてぇー」

途端にケイはヘタレて、オロオロし始める。

ベランダからもう一人、スクール水着にエプロンを身につけた女性が、窓を開けて部屋に入ってきた。

「ふぇーん。レナちゃ〜ん」

赤城ユカ。彼女もまた、両性具有者。

「ユカはまだ、ベランダで待機」

レナに睨まれて、ユカは泣き出した。

「どーしてぇ?なんで、こんな格好させるのー?」

「メガネメガネ〜」

目を「3」にして、ケイは部屋の中をウロウロしている。

レナは、ジュンとマドカが出て行った玄関の方を見つめながら、虚ろに呟いた。

「だめだコリャ」



(終わり)




フタナリ女と少年少女



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