―― こんなの、体が持たないよぉ。 マドカは、レナとジュンにはついていけないと悟った。 二人は今、自分の横で尚も互いの体を貪っている。 69の体勢で、お互いの陰茎を、音をたててしゃぶりあっている。 「レナさん。気持ちイイ?僕のフェラ」 「すごいぃぃ。ジュンの、チンポしゃぶり。蕩けそう。私の、クチマンコは?」 「サイコーですぅ。いくらでも、射精しちゃいますぅ。あー」 「出してぇ。チンポ汁。飲みたいの。ジュンの、キンタマ汁。あうぅぅぅ」 セックスを楽しむ才能。 フタナリには、間違いなくそれが備わっている。 フタナリではないジュンもまた、その才能に満ちている。 自分は、この二人ほどには、セックスにのめり込むことは出来ない…。 「アノー。そろそろ私、帰らなきゃ」 「エ〜?もう帰っちゃうの?もっとエッチしようよぉー」 レナがジュンの金玉を撫でながら、マドカを引き止める。 「オレは、もうちょっと」 ジュンはレナの乳房を膝で愛撫しながら、手をヒラヒラさせた。 マドカの方を、全く見ようともしない。 「ウン。いいのいいの。師匠も、ジュンくんも、気にしないで」 マドカはフラフラと起き上がり、コスチュームを外して服を着て、「じゃぁ」と言って、部屋を出た。 来たときは昼間だったが、すっかり夜になってしまっていた。 しばらく歩くうち、またしても涙が溢れてきた。 ―― 悔しいけど。寂しいけど。残念だけど。 私には、あの二人よりもふさわしい人が、きっといる。 マドカは自分に言い聞かせた。 だから泣かないで、私。 次に二人に会った時には、「お幸せに」って、言ってあげるの。 誰かのために涙を流せるやさしさがあれば、私はきっと大丈夫。 顔を上げて、微笑むの。 そうすれば、向こうの方から近づいてくるわ。幸せが。 マドカは立ち止って、空を仰いだ。 「あ。北斗七星だ。おおぐま座のシッポね。ひしゃくを延ばしていくと…あった!アルクトゥールス!」 晴れた夜空に春の大曲線を見つけ出そうと、マドカは夢中になって目を凝らすのだった。 |