とある休日。
午前9時に春花と待ち合わせをして、列車に乗った珠樹。
二人だけの旅。目的地は春花から、教えられていない。
切符は春花が買ってくれたから、まったくわからなかった。
我慢できなくなって、珠樹は春花に尋ねた。
「ねぇ、もう教えてくれてもいいでしょ?」
「さぁ〜?どこかなー?着くまでの、オ・タ・ノ・シ・ミ〜いぇー♪」
「もぅー!」
1時間ほど経って、急に春花が「次の駅で降りるよ」と言うので、珠樹は慌てた。
降りた駅は、市内から外れた無人駅だった。
「何しにきたの?ココって何かあったっけ?」
「特に何もナイんじゃない?たぶん…」
「ぅええ?」
「いいじゃん!」
春花は珠樹の手を握り、歩き出した。
―― こうやって、人目を気にせずに、外でボクとイチャイチャしたかったのかな?
学校の誰かに見られたくないのかもしれない。珠樹はそう思った。
しばらく歩いていくと、誰もいない公園があった。
「ねぇ、珠樹」
「ん?」
「ちょっと脱いでみない?ここで」
「えっ?なんで?脱いだらボク、下着だよ?この下って」
この日の珠樹のファッションは、シャーベットカラーのワンピースに、スニーカー。手にはクラッチバッグ。
ちなみに春花の方は、大き目のTシャツにショートパンツ、ラバーサンダル。キャップに、ミニかごバッグ。
「ていうか。全部脱いで、裸になって欲しいな〜っ、て思ってねー」
「はうぁぁぁぁ?」
あまりに突拍子もない提案に、珠樹は素っ頓狂な声をあげた。
「大丈夫だって。この辺って、人、いないっぽいし」
「あははははは〜!またまたまたまたー!」
「アタシ、真剣っス」本気の目だった。
「イヤイヤイヤ無理!絶対ありえないから!何でそんな、熟年カップルみたいなコト、しなくちゃいけないの?」
そう言ってから、珠樹は春花がオヤジキャラであることを思い出した。
「珠樹はフタナリの生態、理解したいんでしょ?」
「それって今、カンケーないでしょ?」
「あるんだなーそれがサー」
「ホントにぃ?」
「間違いないと」
「でも…誰か来ちゃうよぉ」
「来るかもしれない。でも来ないかもしれない。とりあえず、やってみたらイーンジャナ〜イ?」
珠樹は春花の提案を受け入れるしかないと、諦めた。
―― ボクはこの人には逆らえない。それはボクが、春花のコトを…心の中に中年と少年が同居しているこの人が、好きだから。
既に性的興奮で、珠樹のクリトリスはジンジンと痺れてきていた。
「服は持っててあげるから。ネッ♪」
「もって逃げないでよ?」
「あー。…ウン」
「何?その間は?」
「そこまでヒドイ人間じゃないって。知ってるでしょ?」
珠樹は公園の隅で、ためらいながら1枚ずつ、脱いで珠樹に渡していった。
「ぅわーぉ!スッゴ〜ぃ!全部脱いじゃったねー。そんな。靴までも」
「え?」
「いーよいーよ」
春花はバッグの中からデジカメを取り出して、珠樹に向けた。
「撮らないでぇー!」
「いっからいっから♪あー動かないで〜。すっごいキレイだからねー」
「いやぁぁぁー!」
―― 性器全体がプルプルして…クリが勃起してるぅ。
閉じた内股が、淫液でジットリと濡れているのがわかる。
「感じてるんだ?公園で、裸になって、珠樹エロすぎ〜。アタシもオチンポが、勃起してきちゃった〜」
せわしなくシャッターボタンを押す春花の指は、いつしかブルブル震え、ボタンが押せなくなっていた。
―― ダメ!
最後の一線で、珠樹の理性が働いた。
「はい、もう終わり〜」
ひったくるようにして春花から自分の服を取り戻し、急いで身に着けていく。
「あーん!もうちょっとしようヨー?」
残念がる春花。
「じゃあ、今度は春花が脱いでみる?」
「そーんなハシタナイコト。出来るわけないじゃん〜」
「ズっル〜イー!」
笑いながら駆けていく春花を、珠樹は追いかけた。



「ね〜。さっき撮ったデータ、どうするの?」
珠樹の質問に、春花は爽やかに笑った。
「別にー。アタシのズリネタに使うだけだよー」
「あっそ」
「どっかでゴハン食べよっか?」
春花の腕に自分の腕を絡めながら、珠樹は答えた。
「そーだね」
そんなやりとりをしながら、二人の頭の中は食事のことよりも、「早くセックスしたい」という欲望でいっぱいだった。




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