5.愛、炎上

炎上みるくによる猪狩会長への奉仕活動は回を増すごとに、えげつなさを増していった。

「キレイキレイしてあげようねー。みるくちゃぁーん」

排尿を終えた亜季の陰唇を、音を立てて舐めまわす猪狩。

「駄目ですぅ、そんなに舌を動かしちゃ。んッ、んはァ」

亜季はイボイノシシ猪狩の舌づかいに対して、嫌悪感と同時に、倒錯した快感を覚えていた。

もし膣に指を入れられそうになっても、拒めないかもしれないと思う自分が嫌だった。

最近の猪狩は、今泉に陰茎を舐められながら眠ってしまう事が多い。


「もう、お帰りになって結構ですよ。お疲れ様でした」

猪狩の下半身に毛布を掛けながら発する今泉の言葉には、冷たい憎悪が宿っているように亜季には感じられた。

言葉や態度の端々から、老会長の寵愛を受ける自分の存在を厭ましく思っているのだということが、段々と分かってきた。

今泉の放つ負のオーラは、猪狩の行為がエスカレートするほどに増大してきている。


―― 亜季だって、したくてしてるんじゃないんだよ、今泉クン。

もっと会長に可愛がられて今泉を困らせてやろうかといったドス黒い気持ちも、心の奥で芽生えつつあった。

自宅に戻った亜季は、猪狩老人との忌まわしい時間を洗い流そうとするかのように、入念に体を洗った。

恥丘や割れ目を洗っていると、老人の生ぬるい女性器へのイタズラで刺激された肉欲が蘇ってきた。

猪狩に男性器を模した玩具を出し入れされている自分を想像しながら、クリトリスを摘む。

「そんなことしないで。亜季のオマンコは、おにいちゃんのものなんだから」

いけないと思いつつ、おぞましい妄想は膨らんでいく。

今泉に乳房をしゃぶられて、猪狩の萎れた性器を口に含んで膣を責められている、恍惚の表情を浮かべた淫らな自分の姿。

亜季は乳首を指の腹で転がしながら、愛液でヌルヌルになったクリトリスを激しく擦った。

「そんな、ダメ!イク、イッちゃう!」



乱暴に昇りつめた後、亜季は更なる自己嫌悪に陥った。


フラフラと浴室から出てきて何気なくケータイを見ると、チカチカと点滅して着信を報せている。

誰からかしらと着信履歴の名前を見た瞬間、亜季の心臓はドクン!と跳ねた。

「おにいちゃん?」

震える指でボタンを押して暫くすると、聞きなれた声がした。

「モシモシ。炎上みるくさんですか〜?」

「違うよ!亜季だよ、おにいちゃん!」

亜季の目から、大粒の涙が溢れてきた。

「ごめんな、亜季。オレ…」

続けて何か言おうとする兄の言葉を、亜季は遮った

「どこ?今どこにいるの、おにいちゃん!」

「今?東京駅に着いて、まだ駅の中だけど」

「わかった。行くから待ってて!」

亜季は急いで服を着ると、素っぴんのままでタクシーに乗り、東京駅へと向かった。

銀の鈴に駆けつけると、不精髭によれよれの服装をした兄が、小さなバッグを手に提げてキョロキョロしながら立っていた。

「おにいちゃん!」

「亜季!」

久しぶりの再会を果たした兄妹は、しっかりと抱き合った。

「どこに行ってたのよ、もう!」

「ごめん」

亜季の太腿に、硬い感触があった。

「あぁー。やっぱり、本物のおにいちゃんだぁ」

亜季は愛しい兄の顔を見つめてボロボロ涙を零しながら、笑った。

「久々に亜季の姿を見たら、こんなになっちゃった。ははは」

照れくさそうに笑う幹男の瞳を見つめながら、亜季は幹男のズボンのチャックを下ろし、中からコチコチに勃起した陰茎を引っ張り出した。

幹男も真正面から妹の顔を見つめたままでスカートを捲し上げ、ショーツをずり下ろす。

二人は息を弾ませながら手探りで互いの性器を擦りつけた。

「うっ!」

瞬く間に幹男の鈴口から出た精液が亜季の股間を濡らしたが、それでこの行為が終わる筈もない。

「入れるよ、亜季」

「うん。来て」

断続的に射精を繰り返す亀頭が、膣の中へと挿入されていく。

「はぁうぅぅぅ」

「ぅあーっ!」

2度、3度とピストンされただけで、亜季はあっけなく絶頂に達してしまった。

「ウウッ!また出るッ!」

熱くて柔らかい妹の中で、またしても幹男は大量の精子を吐き出した。

「えへっ♪入ってきてるよ、おにいちゃんの、あったか精子」

依然として互いに視線を絡み合わせたままで、亜季は微笑んだ。

「亜季、結婚しような」

兄の口から出た突然のプロポーズだったが、亜季の心はずっと前からその言葉を待ちわびていた。

「はい」

亜季は、幹男に接吻した。

22時過ぎの銀の鈴付近にいた人々が、二人の一部始終を目撃していた。

そして、この公然猥褻行為は急速に世間へと広まっていった。





 6.芸能活動停止

東京駅・銀の鈴での兄妹熱烈性愛行為の翌日、炎上みるくは失踪した。

「ワシのみるくちゃん。戻ってきておくれ〜」

猪狩会長は、炎上みるくの捜索を警察に依頼した。

狼狽する会長の横で、今泉は思った。

―― 気を落とさないでください。会長のお傍には、ずっとボクが仕えていますから。

だが一方で、また新たなるアイドルを会長が育てるであろうことを、今泉は確信してもいた。

今までがそうであったように。

マスコミの取材で、二人が兄妹であること、現場で兄が妹にセックスをしながら求婚していたことが分かってきて、大衆は驚愕した。

記事を目にした麻田徹子は、腹部を撫でながら笑った。

「とんでもない男だねー、アンタのおとーちゃんは。にしし」

その後、マスメディアは目撃情報を募ったが、二人の行方は杳として分からなかった。



(終わり)






工藤幹男と工藤亜季



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